民泊のリスク対策

民泊を運営する上で、必ず考えなければならないことがリスク対策です。
下記は、民泊では起こりがちなトラブルの一例です。
・近隣住民の方からの苦情
・ゴミ出しや騒音などのマナー関係
・インテリアなど器物の破損、盗難
・ゲストが迷ったり、誤って別の物件に入ってしまう
さらに深刻なトラブルは、ゲストが犯罪を起こす火災を起こすなど。小さなトラブルから、大きな損害になるものまでリスクの種類は様々。なかには保険に加入しなければならないケースもあるでしょう。
民泊で起こりがちなトラブルとリスク対策について紹介していきます。
ゴミ出しや騒音、マナー
民泊は事業になるため、民泊から出たゴミは事業系ゴミです。
事業ゴミは(民泊のゴミの場合は全て)一般廃棄物収集運搬業者に処理を委託します。
これらは法律上決められた正当なことですが、一般的にはあまり知られていないため、トラブルに発展する可能性を秘めています。
外国人としては問題ないレベルでも、ゴミ出しや騒音などのマナーで近隣から苦情が入るケースも少なくありません。
事前にきちんと説明し、騒音に関しては特に早朝・深夜の時間帯まで細かく指定し、注意してもらうようにしましょう。
ゲストが迷子になる
慣れない土地でゲストが道に迷う可能性があります。
観光庁が実地した「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」によると旅行中困ったことは「施設等のスタッフとのコミュニケーション」が最も多く、次いで「無料公衆無線LAN環境」「多言語表示」でした。
民泊の物件に向かうまでの間に道に迷い、インターネットも繋がっていない場合は地図や検索ができなくなります。
このため、全く異なる物件に不法侵入してしまったトラブル事例も報告されています。
マンションの番号が同じで、さらに鍵もポストに入っていたため、他人の家を開けてしまったようです。
物件を見つけやすいように目印になる画像を事前に送る、規定様式の標識を掲示する、事前にインターネットがつながる場所を伝えるなどの対策が有効です。
器物の破損
家電の様式や使い方など、国が違えば使い勝手も大きく異なります。
また、日本の家電の多くは日本語しか記載されておらず、ゲストが宿泊する前に家電やキッチンなどの使い方をドキュメントに英文でまとめ、説明することが重要です。
盗難
備え付けのティッシュや紙コップが、ゲスト帰った後に全て無くなっていたという事例もあります。
ホテルのアメニティとは異なることを事前に説明し、必要以上のものは置かないでおきましょう。
また貴重品は置くことは絶対に避けましょう。
セキュリティ問題
マンションの一室を民泊として利用する場合、他の近隣住民が「見知らぬ外国人が入れ替わりで出入りしている」と不安に思うケースがあります。決まられたゲスト以外の出入りは禁止するなどしないと、オートロックマンションなどの場合、そもそものセキリュティの意味が希薄になってしまいます。
この点もゲストに事前に説明し、理解してもらう必要があります。
民泊トラブル防止のためにも必ず届出を
民泊新法では、家主は都道府県知事への住宅宿泊事業届書の提出が義務付けられています。
届出に記載する項目には、以下のものがあります。
・商号、名称、または氏名および住所
・法人である場合、役員の氏名
・未成年である場合、法定代理人の氏名住所
・住宅の所在地や不動産番号など
・営業所または事務所を設ける場合、その名称および住所
・住宅の管理を委託する場合、住宅宿泊管理業者の商号、名称または氏名
・住宅の地図
なお、住宅宿泊事業者は、「家主居住型」と「家主不在型」の2つに大きく分類されます。
家主が不在型の民泊に関しては、住宅宿泊管理業者への管理委託も必要です。
破損や盗難レベルを超え、火事や事故などのかなり大きなトラブルに発展する可能性もゼロではありません。
家主不在型の場合、必ず住宅宿泊管理事業者に管理委託を行いましょう。
地域住民、借りる側、貸す側、できる限りみんなが安全で安心して利用できるような基準づくりが進んで、
新しい「民泊」というビジネスが健全に成長していくことが大切です。