民泊で注意したい盗難と防止策
「お部屋の物がなくなった!?」
Airbnb(エアビーアンドビー)などで民泊を運営する際の気になることのひとつに「盗難」があります。
モノがなくなるかもしれない、と思うと不安になりますよね。
民泊で注意したい「盗難」の防止策についてしっかり考えておきましょう。
「盗難」はそんなに頻発しているのか?
インターネットやニュースを見ると、「盗難」が民泊において「良く起きている」事件のように取り上げられていて驚きます。実際に盗難事件は頻発しているのでしょうか?
実際のところ、ホストの被害がどれぐらいでているか(どれぐらい補償がされているか)などはAirbnb(エアビーアンドビー)などの民泊サイトを見ても一切報告がありませんので、詳しい現状は把握できません。そして「海外」での民泊と「日本」においての民泊では、事件の頻度も種類も大きく違っているようです。
海外では、「盗難」は日常茶飯事
海外を旅していると、ポケットから財布をすられたり、宿のスーツケースから物がなくなっていることは残念ながら「よくあること」です。
宿のセキュリティの問題だけでなく、そこいら中に「物を盗んでいく人」がいるのです。
その点、日本ではそういった犯罪は海外ほど多くありません。
多くの日本人が街中で安心して財布を取りだしたり、鞄をお店の席に置いたままオーダーを取りに行ったりしていますよね。
こういった「文化の違い」が、民泊において「盗難」に注意しなければならない要因ともなっています。
「日本人は不用心だ」と海外の人が思うほど、日本人は人を疑いません。
それは日本という国の「良いところ」でもあり、「困ったところ」でもあるでしょう。
平和な日本の環境では、「物を盗られるかもしれない」という思考を持たずにいられます。
民泊を運営する際は、「ゲストは日本人だけではないのだ」ということを少なからず意識することが大切です。
海外を旅する時のように、ゲストホスト共に「セキュリティ」に注意をする必要があるでしょう。


Airbnb(エアビーアンドビー)では、レビューで信頼度を高めている
Airbnb(エアビーアンドビー)では「盗難」が起きにくい、という話もあります。
その大きい理由は「レビュー」にあるようです。
Airbnbでは、ゲスト、ホスト共にレビューの交換が行えます。
相手につけられたレビューは自分で削除することができません。
(記入後14日以内なら、「書いた本人のみ」訂正・編集は行えます。)
なので、悪いレビューを書かれてしまうとそれがずっと残ってしまうのです。
一度悪い評価がついてしまったゲストやホストは、その後の民泊利用は厳しいものとなるでしょう。
ですので、Airbnbに登録している多くのメンバーは「良識を持ったうえで民泊を利用している人が多いであろう」と言われています。
しかし、やはりどこにでも「一部に」悪い人は紛れ込んでいるのです。
安心し過ぎずに、きちんと「盗難対策」をしておきましょう。
盗難対策、「ゲスト選別」と「お部屋の準備」。
まずはゲストをきちんと「選別」しよう

盗難が起きないために、ホストが最初にできる大切なことは「ゲストの選別」です。
たくさんの予約が欲しくても、安易に予約をすべて受け入れてしまうことはとても危険です。
ここで「信頼できないゲスト」を選んでしまうと、一気に「盗難」の危険性もUPしてしまいます。
ゲストの予約を受ける際にはきちんとプロフィールを見て、認証が複数されているかを確認しましょう。
また、レビューがついているゲストの場合は、それを読んでみると「どんなゲストなのか」がわかります。
始めたばかりのゲストの多くはメールアドレスだけしか認証がされていなかったり、プロフィール写真が本人の顔写真でない場合もよくあります。
これでは信頼度が低く、安心はできません。その場合はきちんとメッセージのやり取りをし、顔写真を見せてもらったり、相手が信頼できるかどうかを自分で判断する必要があります。
しかし、「信頼できるであろう」と感じたゲストでも「実際は違った」ということが起きる可能性もないとは言えません。そうなるとホスト側は「盗難が起きないお部屋」を用意しておく必要が出てきます。
基本的に「ホストが常時滞在している民泊」で、かつ「不審そうなゲストをきちんと選別した」場合には盗難事件などほとんど起きません。
これといって盗難対策などしなくても起きません。あなたが営んでいるのがホームステイタイプの民泊で、きちんとゲストを選んでいるのであれば、盗難事件に対してはさほど心配する必要もないでしょう。
「盗難されない」お部屋を作ろう
基本的に、お部屋に「盗られて困るもの」は置いてはいけません。
まずは、「大切なもの、高価なもの、貴重なもの」をゲストが利用するお部屋、また、ゲストの目の届くところに置かないようにしましょう。
ゲストが利用するものは「すべてゲストのための物」と思って用意しておくとよいかもしれません。
お部屋の家具や備品類は盗難や破損が起きた場合のことも考慮に入れて、高額過ぎない、安価で質の良いものを選んでおきましょう。
もしあなたが、お部屋の内装作りを民泊代行業者に委託する場合、彼らは割りとゴージャスなデザイナーズ家具や絵画・美術品などをチョイスするかもしれません。
しかしそういった高級品は、ホストのあなたからすればとてもリスキーです。
代行業者はトラブルがあったときに責任を取ってくれるわけではないので「リーズナブルなもので済ませたい」などと意見をしっかり主張しましょう。
とにかく「盗難されない」ことを考えるより、「盗難されても大丈夫!」という心構えでお部屋を作っておけば、何か物がなくなったとしても心持が変わってきます。
ゲストを疑うことはしたくありませんが、「盗難が起きる可能性がある」ということを考慮に入れたうえで「全部持っていかれたとしても、まぁいいか。」と思えるようにお部屋を準備しておけば、いざ本当に盗難が起こったとしても大慌てする必要がなくなりますね。
ゲストが盗難と思っていないケースも!

また、「盗難」にはゲストが「盗難」と思っていないケースもあります。
「ご自由にお飲みください。」とコーヒーや紅茶のティーバックがおいてあったら、ゲストは「全部自分がもらっていいんだ!」と思うかもしれません。
また、おなかを壊したからトイレにおいてあるトイレットペーパーいくつかもらっておこう!と余分に鞄に入れて持って行ってしまうかもしれません。
あなたも、ホテルや民宿のアメニティを持って帰ってきたことはありませんか?
ある民宿では、「貸し出し用の浴衣をお持ち帰りされてしまう」ということがよくあるそうです。
お部屋に置いてあるもので「お持ち帰り可能なもの」がある場合は、チェックイン時にお伝えしておくとよいでしょう。例えば「ウェルカムギフト」などで日本のお菓子などを用意しておいた場合は「このかごの中のお菓子はご自由にお食べくださいね。お持ち帰りしてもOKですよ!」といった具合に。
実際こういった「悪意のない盗難」のほうが、起きている頻度としては多いかもしれませんね。
盗難の際に「補償」されるものは多くない
Aribnb(エアビーアンドビー)では、盗難などのトラブルが起きた際に「Airbnbホスト保証」という補償が用意されています。
破損や盗難されたものの賠償をゲストができない時に最高1億円までAirbnbが補償してくれるのです。
しかし、次のような物は補償の範囲外とされています。
補償対象外の物
・現金
・証券類
・貴金属
・美術品
・動植物
など。
要するに「高価なものほど、補償はできませんよ。」ということですね。
お部屋を作る際に、インテリアを重視して高価なものを飾るということはやめておいたほうがよいでしょう。
また、「盗難された」という証拠がなければ補償はされません。
お部屋に置いてある備品などの「領収書」は取っておいた方がよいでしょう。
また、リスティング(お部屋の説明ページ)にUPする写真も貴重な証拠のひとつになりますね。
ゲストに貸すお部屋や備品は、どこでもなんでも一度写真に撮っておくとよいでしょう。
ホームステイとホスト不在、お部屋タイプ別注意点
お部屋がホームステイタイプなのか、ホスト不在タイプなのかでも「盗難対策」は変わってきます。
ホスト不在タイプのお部屋では、ホストの監視の目がないために好き勝手に行動するゲストも多くいます。
なので、どこをどう触られても困らない、何を盗られても困らないお部屋作りというものがいっそう大切になってきます。
それ以上に気を付けたいのは、ホームステイタイプのお部屋の場合です。
ホストが常にそばにいるため、基本的にはホスト不在タイプのお部屋に比べて「盗難が起きにくい」とも言えます。
きちんとゲストを選別さえすれば、ほとんど盗難などのトラブルは起きません。
しかし、家の中にホストの物がたくさんあるので「大切なものを置かない」ということが不可能な状態でもあります。ゲストの立ち入り範囲内に大切なものを置かないだけでなく、大切なものがある場所には「カギを付けておく」などの対策も必要になるでしょう。
また、どちらのタイプのお部屋でもドミトリー(相部屋)や複数のゲストルームを持つ場合、ゲスト同士で盗難が起きてしまう可能性や、誰が盗んだかわからない!といった問題が起きやすくなります。
ゲストが利用するお部屋を「盗られても困らない」お部屋にしておくことはもちろんのことですが、ゲスト専用に「鍵付き」のお部屋や貴重品用のロッカーなどを用意しておくとよいかもしれません。
また、一度にたくさんのゲストを泊めることをやめたほうがよいかもしれません。
人数が増えれば増えるほど、何かトラブルが起きた時に当事者が誰なのかがわかりずらくなります。そして、その当事者自身も「自分はやっていない、他の人じゃないのか?」と他の誰かのせいにしてしまう可能性が増えます。
カギの種類にも注意が必要

お部屋の「カギ」の盗難というものも、起こるトラブルのひとつです。
「うっかり持って帰ってしまった」という場合も多くありますが、「ゲストが勝手に合鍵を作って、あとからこっそり入ってきた」という事件も起きています。
お部屋の玄関のカギは、合鍵が簡単に作れないような「セキュリティ性の高いもの」を用意しておくとよいでしょう。例えば、スマートロックのようなインターネットで管理できる暗号性の高いものや、一回ずつ変更できる番号式のカギ、町の鍵屋さんでは作りにくいディンプルシリンダーやカードキーを利用するのもよいかもしれません。
そして、ゲストがカギをうっかり持って帰ってしまわないように、やはりチェックアウト時はホスト自身でカギの受け取りをした方が安心ですね。
ゲストの忘れ物にも要注意!
「盗難」というと、ホストのお部屋の物が盗まれる!という視点から捉えがちですが、ゲスト視点からの「盗難」にも注意が必要です。
実際問題として、ホストがゲストの物を盗むということはありえません。
絶対にあってはいけません!
しかし、ゲストが「うっかり忘れものをしてしまう」ということはよくあることです。
その際にゲストが「自分で忘れ物をした」ということに気付かず、「盗られた?」と思ってしまう可能性がないとはいえません。
「このホストの家に泊まったら、○○がなくなってしまった!」なんていうレビューがついてしまったら困ってしまいますよね!
ゲストがチェックアウトの際は、まず忘れ物がないかをよく確認しましょう。
ホームステイタイプのお部屋や、ホスト不在タイプのお部屋でも、「チェックアウト時にホストが同伴している」のであればゲストに少し待っていただいて、お部屋をチェックするとよいでしょう。
以下のようなものは、ゲストが忘れがちな「よくある忘れ物」です。
・コンセントの変換アダプタ−、充電器
・お風呂場のシャンプー類、洗面所の歯ブラシ
・冷蔵庫の中の食品
・洗濯物やタオルが干したまま
・棚や引き出しの中に物が入れっぱなし
忘れ物があまり重要でないもの(歯ブラシなど)であれば、ゲストから「いらないから処分してくれ。」と言われるかもしれませんが、これが「大切なもの」や「すぐに仕事で使うもの」だったりした場合は大変です。
ゲストにすぐに忘れ物を渡せれば問題ありませんが、これがチェックアウト後になってしまうと届けてあげる必要が出てきます。
日本国内にいればまだそう難しくないかもしれませんが、すぐに海外に帰国してしまったとなると、国際郵便を使わなくてはいけなくなってしまいます。
そうなると、時間も手間もお金もかかってしまいます。
国際郵便の方法

・航空便:「エコノミー航空便」は1−2週間ほどで安価で利用できますが、送れる国が限られています。アジア圏であれば「タイムサーテンサービス」という国際スピード郵便が使え、最短翌日配送が可能です。
・船便:航空便より安く送れますが、とにかく時間がかかります。大抵の場合1−3か月ほどですが、地域によっては半年かかるということもあります。
国際郵便をできるだけ使わなくても済むように、忘れ物はすぐに気づいてあげれるような体制をとったほうがよいでしょう。
ゲストがチェックアウトの際は、忘れ物がないかを「ゲスト本人にも」きちんと確認してもらいましょう。
ある民泊で、「ゲーム機がなくなった!」とゲストがチェックアウト時に騒ぎだしたというトラブルが起きたそうです。そのゲストはホストやホストの家に出入りしていた業者が盗んだのではないか?と疑いを持ったそうですが、その時は結局、自分のカバンの奥からゲーム機がみつかり、事なきを得たとのことでした。
ゲーム機だけでなく、パスポートなど、大切なものを少なからずゲストは持って歩いていることでしょう。
チェックアウトの当日は、飛行機の時間などでバタバタと出発するゲストも多くいます。
できればチェックアウト前日に、「明日出発になりますので、忘れ物がないようにお荷物確認しておいてくださいね!」などと一声かけておくとよいかもしれません。